多少要領がよい不動産業者

2011.09.30

各自治体が指定した地域内では、そこで規定された面積(この下限は自治体ごとに異なる)以上の土地取引はすべて契約を結ぶ前に各区や市に取引価格を申し出て、それが適切な価格であるかどうかの指導を受ける必要が生じた。その判断が下される前には契約してはならないとされ、それに従わない場合には氏名等を一般に公表するという内容のものである。その判断が下されるまでに要する期間は最大6週間である。ところで、この制度が施行されたのちには、各自治体はどのくらいの価格を適正と認めたかというと、当初はピーク時の地価の5〜10%安程度の価格であった。あるいは、各自治体が毎年7月に行う地価の調査結果を10月に基準地価格として公表するか、これはだいたい実勢値の半分ぐらいの評価となっている。したがって不動産業者は取引が発生しそうになると、基準地価格に対してその2倍程度であれば勧告を受けないですむであろうと目星をつけ、取引価格を所轄の自治体に届け出るわけである。しかしこの制度は多少抜け道があり、1度ある物件について取引価格を申請して、それでよしという結果が出ると、かりに当初の取引が流れても、次の取引に適用できる。そこで多少要領がよい不動産業者は、架空の取引相手をつくって事前に申請しておき、実際の取引が生じたとき6週間も待たされないですむようにし始めた。これに気づいた各自治体が架空の取引の申請をやめるように呼びかけるという事態も発生した。

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